家族を介護するために離職する人が増えており、離職者が困窮化して生活保護を受けなければならないほど社会問題化しています。政府も対策に乗り出している介護離職問題。それなのになぜ介護離職者は社会復帰がしにくいのでしょうか。

まず一番の理由として介護は長期に渡って継続するため、職についていないブランクが大きくなってしまうことが挙げられます。介護離職者は40代から50代の人が多く、この年になると再就職も難しい傾向にあるからです。

もう一つの理由として、介護休暇の精神的な取りづらさが挙げられます。日本には育児・介護休業法という、介護を行う社員への介護休業・休暇が認められ、申請者には残業を制限するなど法的に家族介護をする人を守る制度があります。

しかし、多くの労働者の間で、この制度を利用したら自分のキャリアに傷がついてしまうのではないかと恐怖を抱いている人がたくさんいます。そのため介護と仕事の両立ができずやむなく離職するしか選択肢が無くなったという介護離職者がたくさんいるのです。

このように介護離職者の社会復帰が難しい原因はブランクが長くなりやすい人ほど再就職が難しく、みんなが休む休暇以外の休暇を悪と考えてしまう日本の働き方の悪弊が主要な原因となっています。

介護離職者が社会復帰を促すためには、こうした日本の労働倫理の悪弊を取り除き、介護と仕事の両立が誰でもできるようにする働き方を提示する事が重要です。労働者側も介護休暇を利用することに「後ろめたい」と感じることなく、選択する事ができる社会づくりを目指していかなければなりません。

介護離職を余儀なくされてしまった方は、休職中の過ごし方をきちんとプランニングしておくことで、将来の道筋が大きく変わってきます。いざ復帰できる時にバタバタしないためにも、早めから安心できる準備をしておきましょう。介護で離職した人に向けた復帰対策をまとめたサイトも存在するため、併せて読まれることをおすすめします。→→→詳細リンク